2011年版 資格取り方選び方全ガイド評価が高かったので買ってみました。
やたら評価が高い本はまず疑ってかかり、評価が低い方のレビューを中心に読み、特に批判部分をよく読んで判断するのですが、この本は結局・・・良い評価を自分がつける事になりました。
私は、「うさんくさくて濃ゆい」系の自己啓発・記憶術系の本が大の苦手です。
たとえば、
『自身の提唱する手法を絶賛し、その他の方法は批判。
やや極端とも思える「持論」を連呼。
洗脳されながら読み進めなければならない。
効果が高いかもしれないが、理論が独特すぎて、応用が利かない』
のようなものです。
ちなみにこの本・・・・やや、当てはまります。
ギラギラした感じ。前段を読んで「うっ・・」っと思いましたが、我慢して読み進めてみました。
本編に入ってみると、結果、私にとっては得るものの大変多い本でした。
読んでよかったと思っています。
速読、記憶術が合体したのがラジカル・マスター勉強法との事ですが、色々な小技を組み合わせて、様々な知識や資格に対応できるようになっています。
特に文章圧縮(速読の手法)は私には合っていたようで、慣れると本を読む速度が飛躍的にUPする手法です。
一つの文章の中に、これほどまでに不要な文字が多かったなんて・・・と思い知らされます。
基本は「文章のバラシ→無駄な文字排除→再構築」です。
情報の取捨選択は、慣れれば瞬時に行えるようになります。
記憶術の側面に関しては、脳科学に基づいた理論が多いですが、そうとは書かれていません。
睡眠が大事とか、通勤時間は記憶の反芻に充てるべしとか、何かに関連づけてストーリーを作って覚えるとか。
実はこれは人の記憶のメカニズム、脳の性質を踏まえた、科学的に裏打ちされた記憶手法です。
ラジカルマスター用にアレンジした手法と結論のみで、脳科学的根拠は割愛されていますので「使い古された理論」「どこかで読んだような話」「精神論?」と思う方も多いかもしれません。
私は脳科学の本を既に何冊か読んでおり根拠を知っているので、その点、デタラメな精神論を書いているわけではないとわかり、いくぶんこの本への抵抗が少なくなりました。(池谷裕二氏の「記憶力を強くする」(ブルーバックス)という本がお勧めです)
私はこじつけじみた語呂合わせ等が苦手(頭の中とは言え、なんだか恥ずかしくて・・・)なので、文章圧縮とノート一行主義、イメージ記憶法だけを取り入れました。
本来ならば、ある程度著者の考えに染まって勉強法を再構築すれば飛躍的に効率がUPするかもしれませんが、残念ながらそこまではできませんでした。
今現在、自分が抵抗なく取り入れられるものを取り入れるというスタンスでやっています。
それでも効果は充分です。
いつも読んでいる法律書で死ぬほど眠くなるのですが、文章圧縮を覚えたら「小難しい言い回し」には効果テキメンでした!無駄を省いて骨格だけにすると、アッサリしたものです(ただし本に線引きやマーキングは必須ですね)。
ノートを取るにも、テキストの文章をダラダラと繰り返してしまっていたのが、無駄をそぎ落としてスッキリまとめられるようになってきました。
どの本でも同じですが、やはり相性があると思います。文章圧縮に関しては、ある程度の日本語力、ロジカルシンキング、センス、思い切りの良さ、思考の柔軟性が関わってきます。
思考回路、思考の癖でも相性の良し悪しが分かれると思います。ですので中には合わない人もいるでしょうし、賛否両論なのもうなずけます。
読んでみないとわからないでしょう。私も最初は「自分には合わなさそう」と思って読み始めましたから。
なお、本文はレイアウトがゆったりしていて読みやすいが、マーキングの仕方が文章で説明されているのは残念。この部分だけでもカラー刷りで視覚的に掴めたらより良かったと思います。
本文中のどの手法が好相性なのかは人によって違うので一概に言えませんが、記憶術、勉強術の本を読んだ経験が少ない方でしたら、一読の価値はあるかと思います。