ゲノム情報はこう活かせ!―比較ゲノム学を遺伝子・タンパク質の機能解析や疾患遺伝子探索に活用する方法がわかる今までのバイオインフォマティクスの本は、個別の手段についてのスキル的なものや原理と言ったものが主だったのですが、翻って、この本は、自分の研究の場面で、どのようにバイオインフォマティクスが使われていくのかについて書かれており、「戦略」に近い部分を担っています。実際のバイオインフォマティクスの活躍の場面というのは、データが大量にあるのをどう処理するのか、あるいはさまざまなデータがあるのをどう組み合わせていくのかというところで威力を発揮するのですが、そういう時代背景で、研究を行うにあたり考えるべき、「比較ゲノム」についての考え方を、その道のプロががっつりと教えてくれる貴重な本と言えるでしょう。ここから、どうデータと向き合うか、そして、そのデータを扱うにあたり、どういう問題が内在していて、それを意識しながら、問題を抱えているなりにどう処理するかについて、読み取っていただけたら、と思います。
|