告白2009年の本屋大賞受賞作で、映画も公開されると言うことで手に取りました。
確かに面白いのですが、読後感は良くありません。
それは、ここに登場する人物が、すべて共感出来る様な人物ではないからです。
思春期の「暗部」を描いたと言えばその通りなのですが、もう少し明るい部分もあって良かったのではと思います。
エゴ剥き出しで自己顕示欲の塊のような中学生ばかりが登場します。
現代の世相からして、そうした若年層が多くなっていることも確かで、それに対する問題提起と言えるのでしょうが、その先に光明が見えません。
少年法に対する批判なども語られていますが、それに対してもその先がありません。
何か、現代社会の学校を中心とした思春期の若者たちの問題だけを、ぶつけられたような気がします。
ストーリー展開や構成は素晴らしいだけに、個人的にはラストはもう少し夢のある終わり方にして欲しかったと思います。
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