推薦小論文10日間攻略 (東進ブックス―大学入試小論文シリーズ)小論文本を、やたらと沢山書いていらっしゃる樋口裕一氏の著書。 はじめて、樋口氏の著書を読んでみたが、確かに、小論文を一種のゲームとして提示してしまって、そこでの上達法を提示する、という発想は悪くない。小論文教育という極めて胡散臭い分野では、著者の議論は支持できる部類に入る。 下手なイデオロギーをガリッと提示してしまう教師なども多いが、単に、「とりあえず論理的に見える文章」を展開していくための方法論を教えるだけに絞るという姿勢は、短期間でろくな本も読んだこともない高校生達を鍛え上げようと思ったら、小論文の指導でできることなんてその程度しかないものだ。 ただ、本書の模範解答はいかがなものだろうかと思う。レベルがどうこうというよりか、樋口氏自身が提起している「小論文のルール」に充分応えられていないと思う。 しかし、この本を試験10日前から読んで、小論文のものすごく苦手な学生の小論文のクオリティがどこまでまともなところにいきつくかは疑問だ。読まないよりはいいかもしれないが。
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