鬱病ロッカー2008年に「適応障害」と診断され、療養のために活動休止をしていたkannivalismのヴォーカリストである怜が自ら執筆を行った本。
レコード会社やマネージャーとの対立、メンバーへの心情、精神病院での入院生活、そして彼の家庭環境など彼を取り巻く様々な状況をリアルに執筆した内容となっています。正直いって、全てを吐き出すかのようにかなり生々しく書かれており、華やかに見えるアーティスト人生の裏や彼の心の奥まで読めてしまうような内容となっています。
幼いころに感じた孤独と不安、疑心暗鬼、対人恐怖症、処方された薬への依存、崩壊していく家庭・・・どれも目を伏せたくなるようなものをすべて書ききったこの本は、読んでいた自分にも重く暗いものがのしかかりました。
どの項かはネタバレになるので書きませんが、個人的にショックを受けてしまうような衝撃的な話もありました・・・しかし、彼が音楽にどんなものを捨ててでも、人生のすべてをかけているということが伝わってきて強さや勇気をもらえたため、出版された意味を感じることができました。
「真向にプロとして真剣に活動している」ミュージシャンの多くが彼と同じく、苦悩や葛藤と闘っているのかもしれません。
|