株《安全・簡単デイトレ》で1日1%以上を稼ぐ私の方法 (アスカビジネス)著者は株式取引のみならず、商品先物やその他のトレードにも詳しいと思われる。また投資経験はかなり長い。そのノウハウをできるだけ難しい言葉を使わず説明しているところは見事。
商品先物経験者にはなんでもない売りから入る(新規売り)ポジションの取り方を、株のデイトレにも応用している。すなわち株の売りから入る信用取引口座がないと、この本が述べるトレード方法や確率を高める考え方が実現できない。
またここに書かれているのは、やはり著者の長年のスキルあっての相場のとらえ方だと思う。さらに著者の運用資金量はかなり大きいと思われる。テクニカルをまとめた本でもない。
このため、最終的には読者の経験値と資金量が、読者のトレード結果に違った形で現れるであろう。
良書ではあるが、初心者の経験値や当初の資金量を考えると実行難に遭遇することもあるため、これらの点は書いておきたい。
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この書籍のメソッドをやってみての補足:
前日終値より高い位置での売り、低い位置での買いの建て方の例が書かれているが、本にあるチャートのようには実際にはなかなか動かないと思ったほうがよい。これは銘柄選びの問題というより、相場が(日経平均全体や業界種別ごとの動きが)上げ潮、下げ潮続きのときは、仕掛けた銘柄もそれに連れて一方向にずーっと動いてしまい、日中足の中でターン(反対方向への動き)が起こらないケースが多々ある、という意味。
となると、市場全体の動きと、各銘柄の日足および週足の分析、つまりトレンドの見極めが必要になる。この書籍に採用されているチャートは、一般的な株価の動きの「パターン」や日中足チャートの「傾向性」とは関係が無く、単に著者のトレード概念の説明上、便利なチャートを持ってきただけという感じ。1%のゲインや持ち越さないこと、逆張りの考え方は、全く異論はない。が、チャートでトレンドの判断が必要なのであれば、このタイトルにある《安全・簡単》は語弊があり、初心者は資金を減らすであろう。
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