巨匠に教わる絵画の見かた絵に決められた「見方」があるかどうかは賛否両論と思いますが、美術史と時代時代の絵の特徴を簡単に知るには便利な本で気楽に楽しめます。
ルネサンス?20世紀美術まで、その時代の絵画の特徴とともに代表的な絵が全編カラーで紹介され、その絵に対して画家本人や同時代・未来の他の画家の意見が添えられている。
またところどころに画家どうしの影響の受け方や、影響を受けた絵の比較もこれまたカラーでちりばめられ、とても解りやすく面白い。それぞれ簡単な説明なのでまず絵画初心者が浅く広く知識を得るにはもってこいの本。
絵画の歴史を眺めていると、もともと形(オリジナル)がないところから生み出される音楽とは違い、視覚を絵として移し替えていた絵画がいかに視覚の模倣から脱却し絵画の存在意義を確立するのかという画家達の苦悩や情熱や試行錯誤の跡も垣間見れておもしろい。
まず本書を読んで、その後少しづつ専門的な本に進んでいけば知識が深まりやすいような気がします。
でもこの本にも載っている「画家の言葉より画家が仕上げた作品を信じよ」というホックニーの言葉が、そもそも絵を楽しむのに知識って必要か?と自問自答させますが。
|