一生お金に困らない 金儲けの王道???笹川良一や田中角栄をはじめとする政財界に人脈を持ち、株式投資で財を成した、糸山英太郎による書。著者は、2002年にはフォーブス誌の「世界の億万長者たち500人」の118位にランクされ、2002年3月の時点では、推定4150億円の資産を持つ。JAL・JAS合併劇の中心人物としても活躍した。 ???本書はその糸山が、自らの半生を振り返り、株式相場における数々の名勝負とその裏に隠された投資哲学を明らかにした1冊である。自分が正妻の子ではないと知り、荒れた学生時代、独立して失敗し、屈辱に耐えながら身売りした青年時代、父が経営するゴルフ場のキャディからトップに至るまでの道のり…。あまりに壮絶な半生に、度肝を抜かれてしまう。 ???本書にはまた、著者が参議院議員選挙に最年少当選してからの政財界の「黒い話」が、歯に衣着せぬ語り口で書かれている。暴力団とのつながりや金の流れなど、下手な小説よりもずっと刺激的な世界を垣間見ることができる。 ???そして何より注目したいのは、第5章の「糸山流カネ儲け術」。証券マンの意見やチャートを無視し、独自の投資哲学を貫くことの重要性を説いている。日本株に投資する人への具体的なアドバイスもあり、参考になるかもしれない。また節税や「カネの使い方」に関するノウハウもあり、すでに成功している人にとっても参考になる部分が多い。100万部を超えたという前著『怪物商法』に負けず劣らず、読みごたえがある。(土井英司)
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