eラーニング活用ガイド eラーニング関連の書籍は、eラーニングはこういう仕掛けで、導入すると、こういうことが出来る、ああいうことも出来るという説明か、事例を紹介して解説するといった形が多い。だから「それは分かってるけど、じゃあどうすればいいの」という疑問は解消されない。正解はないとしても、考え方や見方、現場の感覚を聞いてみたい。
「eラーニング活用ガイド」は、実務に本気で取り組んでいるという感じの書きぶりで、問題点と解決の道筋、eラーニングの活用のトレンド、そして人材育成やラーニングそのものに関する見方、展望まで示してくれて、収穫が多かった。そつなくまとめた業界団体の本という先入観ははずれ、解説や評論に止まらないナマの感覚が伝わってくるのも意外だった。「eラーニング活用ガイド」というけれど、企業のパフォーマンスアップや人材育成、ナレッジマネジメントといったトレンドもよく分かる。ウェブ2.0的なeラーニングも示してくれて新しい。
覆面座談会の、訳のわからないクライアントや妙な注文に泣かされる話、システム担当にいじめられるeラーニング担当を助ける話などは、身につまされ、泣けて笑える。現場のベタな話から、eラーニングの最新問題までよく分かる本だと思う。
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